お盆休みの記憶と墓地の景色

昔の墓参り

お盆休みが終わってしまいました。

近年の我が家は、墓参りには行くものの、遠くに住んでいる子供たちが帰ってくるわけでもなく、静かなお休みです。

私が子供のころは、田舎でしたから、夜になると提灯を下げて墓参りに行ったものです。もちろん、今のようなLEDの明かりなどではなく、提灯の中には、火をつけたろうそくが入っていました。お寺に行くと、提灯を下げた子供が大勢いたものでした。

墓参りから帰ってくると恒例のスイカを食べます。昔は大きな冷蔵庫などは有りませんでしたから、水槽に水を張って冷やしたものです。

普段は静かな田舎町も、お盆の夜は墓参りに行く人々で、とてもにぎわっていました。

いつの間にか若者はいなくなり、子供も少なくなって、年寄りばかりが目に付く街になってしまいました。

墓ラッシュ

町のにぎわいが無くなった分、お寺の墓地はとてもにぎわっていました。新しい墓がどんどんできていきます。以前は通路だったところにまで墓が立っていて、私は自分の家の墓を見失って、うろうろと探してしまいました。それほど墓地の景色が変わっていたんです。
町で目に付くのは高齢者ばかりですから、新しい墓ラッシュは、まだまだ続きそうです。

民事再生は大きく分けて二つ。自力再生とスポンサーを付けての再生です。

民事再生は、充分に計画を立て、必要な資金の準備をして、そして申請をする訳ですが、基本的な方向性は、二つに分かれます。
それは、自力でやるのか、それとも、スポンサーを付けてやるのか、ということです。

民事再生を申請して、最終的に認めるかどうかの判断は、裁判所がするのですが、その際、裁判所はスポンサーが付いた方が認められやすいのは間違いないところです。
なぜなら、スポンサーが付けば、資金的な問題は発生しないと判断できるからです。民事再生の途中で資金不足になり、破綻してしまったら大変です。

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そういった意味で、自力での再生計画は、裁判所からは、厳しい目で見られると思います。ただ、自力でやることのメリットもいくつか有ります。
ここでは、スポンサーを付けた場合と、自力でやる場合の、それぞれのメリット、デメリットを簡単にお話ししたいと思います。

自力でやる場合のメリット
 ・会社の方針を変えずに仕事ができる。
 ・顧客、仕入れ先との取引を、従来通り継続できる。

自力でやる場合のデメリット
 ・充分な資金の準備が難しく、途中で破綻するリスクが有る。
 ・会社の将来性が不安視され、従来の顧客が離れる可能性が有る(仕入先も同様)。

スポンサーを付ける場合のメリット
 ・充分な資金を用意できるため、破綻するリスクが小さくなる。
 ・裁判所や金融機関の理解を得られやすい。

スポンサーを付ける場合のデメリット
 ・会社の運営には、スポンサーの意向が強く反映されるため、会社の方針が変わる可能性が有る。
 ・スポンサーの方針により、顧客や仕入先との取引きが出来なくなる可能性が有る。

メリット、デメリットは、もっといろいろとあると思いますが、大きな違いは上記の点だと思います。

最近の民事再生は、スポンサーを付けるケースが多いと思いますが、従来の顧客を守れば会社を再生できる状況であれば、むしろ自力再生を選んだ方が良いというケースもあると思います。

 

民事再生の計画を知ってしまった・・・。

民事再生は、事前に計画を知ることになります

当時、工場長だった私は、民事再生申請のおよそ2か月前に、親会社の役員から、その計画を聞かされました。もちろん、その計画は、決して誰にも話してはいけないことです。
なぜなら、そんなことが事前にバレたら、誰も取引してくれなくなります。

民事再生になると知りながらがら、仕入れ先と取引することになります

特に、仕入れ先は、代金が支払われなくなるということが分かりながら、資材を納入したり、外注として仕事を請け負ったりしてくれるはずが有りません。
そうなったら、お客様から注文を受けた製品を作ることができなくなります。注文が無くなれば、お金が入ってきませんから、民事再生どころではなく、一気に破産への道をまっしぐら、ということになってしまいます。

結局、ずるいようですが、仕入れ先や外注先には、民事再生になることを隠しながらお付き合いすることになるんです。

それでも、民事再生なら、会社は事業を継続できますから、従業員が働き続けられますが、破産してしまったら、従業員は仕事を失うことになります。

 

私の勤務先は、電子部品の製造工場でした。カタログに載っているような、いろいろな会社が共通で使える部品ではなく、お客様から図面などをもらって、その仕様で個別に製造するものでした。
ですから、仮に民事再生になっても、お客様がすぐに同じものを他から買うということは、ちょっと難しいということになります。

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お客様からの注文は、仕様も納期もまちまちです。時には短納期で、どうしても外注先に無理をしてもらわなくてはならないケースも発生します。
そんな時、工場長だった私は、外注先に残業や休日出勤をしてもらいながら、この代金はどれくらい払われるか分からないのに、と考えると、とても心が苦しかったですね。

民事再生になったら、どれくらい支払われるのだろうと考えました

私自身、当時は民事再生に関する知識が乏しく、仕入れ先に、代金のうちのどれくらいの割合が支払われるか分かりませんでしたが、それでも、決して100%ではなく、10パーセントとか20パーセントくらいの支払いになるのだろうということは、想像がつきました。

 

私の毎日は、自分の生活がどうなるのだろうというドキドキから、いろんなことを考える苦しさに変わっていきました。

 

 

 

 

勤務先の民事再生を知って、体に変調が現れた

会社が潰れることを事前に知ったら、一日中心臓がドキドキするようになってしった

親会社の幹部の人から、親会社・子会社ともに、民事再生の申請をすることになったという話しを聞いて、私は胸の動悸が止まらなくなってしまいました。

一日中、心臓がドキドキしているのです。朝起きてから、眠りにつくまでの間、ずっとドキドキしているのですから、私は、もしかしたら、このまま、心臓発作を起こして死んでしまうのかも・・・。と心配になりました。

 

そんな症状は、生まれてから初めてのことでした。それでも、不眠症にはならなかったので、寝ている間は、おそらく、正常だったのではないかと思いますが、翌朝起きると、まだドキドキしていました。

 

このまま続いたら、絶対に死んでしまう。さすがに二日目になってもドキドキが続いていたので、病院へ行こうかと考えました。
でも、「会社がつぶれると聞いたら、ドキドキが止まらないんです」なんて言ったら、病院の先生に笑われそうな気もします。

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人間の身体は、いつしか慣れるものです

ところが、人間の心って、よくできているものだなあと思いました。三日目にはドキドキは止まりました。要するに、会社がつぶれるという心配に、心が慣れてしまったんですね。

 

住宅ローンのこと、子供の学校のこと、突然仕事を失ったらどうするかという心配、などなど・・・・心配事は尽きません。

それでも、体調が戻った私は、少しずつ現実と向き合うようになりました。

 

続きはまた次回、お話ししたおと思います。

よろしくお願いいたします。

 

民事再生の内情

私の誕生日の3日前に倒産した私の勤務先ですが、正確に言えば、民事再生の申立てをしたんです。

倒産・破産と民事再生の違い

民事再生とは、倒産や破産のように、その時点で会社が終わってしまうものとは異なります。民事再生の場合は、仕入れ先や金融機関に対して、本来支払うべき金額のうちの数パーセントを支払うから、残りは支払わなくても良いことにしてください、と宣言するものです。

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何パーセントを支払うかは、その会社の状況によってまちまちです。ちなみに私の勤務先は、10パーセントでした。例えば、1000万円の仕入金額が有る取引先に対して、そのうちの100万円だけ支払うから、残りの900万円は免除してくれ、ということです。

ただし、必ずしも、一部金だけとは限りません。場合によっては、全額を支払うけれども、その代わり10年分割で払います、などというケースも有ります。
要は、会社側の提案を、債権者側(仕入先の会社や借入先の銀行など)が、受け入れるかどうかにかかっています。

民事再生が成立した場合、一番重要なポイントは、倒産や破産とは違って、会社が継続することです。

 

弁護士さんいわく、民事再生は事業を継続する方法なのだから、倒産ではない、ということなのですが、実際は、本来支払うべき金額のうちのわずかしか支払わないで終わりにしようというものですから、やはり世間の目は、実質は倒産ということになると思います。

あくまでも世間の見かたとしては、倒産した会社が何とかして再建しようとしている、という感じだと思います。

スポンサーを付けた民事再生

それに、会社が継続すると言っても、民事再生を申請しているということは、本来支払うべきものが支払えない状態になったというわけですから、社会的な信用は、大きなマイナスを背負ったということになります。

 

私の勤務先の話に戻りますが、本来支払うべき金額の10パーセントを支払うと言っても、その10パーセントのお金が有りません。そのお金が有るくらいなら、民事再生の申請など、しないわけです。

 

では、どうするかと言えば、スポンサーを募るわけです。平たく言えば、会社を買ってもらって、そのお金で10パーセントを支払うというものです。そして、買ってもらった会社の傘下で、新しくやり直すということになります。

スポンサーになってくれた会社の資金と信用力で再生しようという形です。

 

もちろん、スポンサーは付けなくて、自社独自で民事再生を行うというパターンも有りますが、現在はその方法は少なく、ほとんどがスポンサーを付けて再生するという形だと思います。

 

この民事再生という方法は、会社の従業員のとって、なかなか過酷な状況を迫ることになるんです。そのあたりを、次回のブログでお話ししたいと思います。

 

次回またよろしくお願いします。

 

勤務先が倒産した後、どうやって生活するのか

勤務している会社が倒産してしまったら、まず最初に心配しなければならないのが、自分の生活費をどうするかということでしょう。

 

私の場合、妻と二人の子供がいました。しかも、妻は専業主婦でしたから、稼ぎ手は私一人です。それなのに私の勤務先が倒産したのですから、目の前は真っ暗です。

勤務先が倒産した時、一番の心配は自分の生活費をどうするか

いろいろと悩んだ挙句、やはり、最悪な事態を考えておかなければいけないだろうと思い、弁護士さんに、自己破産の相談をすることにしました。
本当に自己破産するかどうかはさておき、一つの方法として、頭に入れておきたいと思いました。

 

勤務先が倒産した時、私が抱えていた借金は、住宅ローンと車のローン、それに、上の子が大学生でしたから、学費ローンも借りていました。なにしろ、長女が通う大学は、私立の理系でしたから、学費だけでも年間150万円かかっていて、とても貯金だけでは賄えなかったのです。

 

特別な資格も無い私が、50歳で転職して、これまでと同じ給料がもらえるとは思えませんでした。そこで、もしも借金が無くなれば、再就職で給料が下がっても、何とかやって行けるのではないか。そう考えて、自己破産について、弁護士さんに相談しようと思ったのです。

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住宅ローンが有ることによって可能な生活再建の方法

相談した結果、とても良いことを教えていただきました。
その内容は、住宅ローンだけを残して、それ以外の借り入れを債務整理してしまうという方法です。

 

つまり、住宅ローンはきちんと払います。しかし、それ以外の借り入れは払えません。という方法が有ると教えていただきました。この方法は、住宅ローンが有る人にしかできないのだそうです。この点は、とても重要だと思います。

 

重要なポイントとして、今後も住宅ローンを支払って行けるという根拠が必要なことです。これは、再就職が決まって、その収入で払うということが言えれば大丈夫です。
また、再就職が決まっていなくても、早急に再就職先を決めますという程度でも良いらしいのです。

 

自己破産をすれば、住宅を手放すことになるので、せっかく長年に渡って支払い続けてきた住宅ローンも無駄になります。

 

もちろん、この方法を使うと、住宅ローン以外は債務整理となるので、クレジットカードが使えなくなるなど、多少の不便が有ります。

それでも、この方法なら、これまで通り自分の家に住み続けながら再起を図れます。
私は、この話を聞いて、心の中のもやもやが、少し晴れたような気がしました。

自己破産を考える前に

最後に、一つだけ教訓めいたお話しすると、もしもお金に充分な余裕が有ったとしても、いざというときのために、住宅ローンは繰り上げ清算などはしないほうが良いということだと思います。

 

今回は以上です。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

初めての投稿

初めまして

二村 元(ふたむら もと)といいます。

猫に癒される毎日です

猫を飼っています。名前はカンちゃん。
カンちゃんは、四代目の猫です。
猫種はチンチラ。白の長毛です。

 

なついてはいるのですが、日本猫のように、膝に乗ってきたりはしません。
抱っこされたりも、あまり好きではないようです。

ひょうひょうとしているのですが、寂しくなると、猫じゃらしをくわえて近寄ってきます。

そんなカンちゃんに、毎日癒されています。

民事再生のリアルな実体験を書いていきます

このブログでは、私が経験した、勤務先の倒産から、独立して起業した経緯までを、その時々のお役立ちエピソードを交えながら、書いていきたいと思います。

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窓辺でくつろぐカンちゃん

民事再生のブログは弁護士や司法書士の方が書かれたものが多いですが、私は法律的な解説ではなく、実際に民事再生を体験した工場長としてのリアルな体験談や、業務を進めていく上で、注目すべきポイントなどを、当事者の目線で書いていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。