民事再生の内情

私の誕生日の3日前に倒産した私の勤務先ですが、正確に言えば、民事再生の申立てをしたんです。

倒産・破産と民事再生の違い

民事再生とは、倒産や破産のように、その時点で会社が終わってしまうものとは異なります。民事再生の場合は、仕入れ先や金融機関に対して、本来支払うべき金額のうちの数パーセントを支払うから、残りは支払わなくても良いことにしてください、と宣言するものです。

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何パーセントを支払うかは、その会社の状況によってまちまちです。ちなみに私の勤務先は、10パーセントでした。例えば、1000万円の仕入金額が有る取引先に対して、そのうちの100万円だけ支払うから、残りの900万円は免除してくれ、ということです。

ただし、必ずしも、一部金だけとは限りません。場合によっては、全額を支払うけれども、その代わり10年分割で払います、などというケースも有ります。
要は、会社側の提案を、債権者側(仕入先の会社や借入先の銀行など)が、受け入れるかどうかにかかっています。

民事再生が成立した場合、一番重要なポイントは、倒産や破産とは違って、会社が継続することです。

 

弁護士さんいわく、民事再生は事業を継続する方法なのだから、倒産ではない、ということなのですが、実際は、本来支払うべき金額のうちのわずかしか支払わないで終わりにしようというものですから、やはり世間の目は、実質は倒産ということになると思います。

あくまでも世間の見かたとしては、倒産した会社が何とかして再建しようとしている、という感じだと思います。

スポンサーを付けた民事再生

それに、会社が継続すると言っても、民事再生を申請しているということは、本来支払うべきものが支払えない状態になったというわけですから、社会的な信用は、大きなマイナスを背負ったということになります。

 

私の勤務先の話に戻りますが、本来支払うべき金額の10パーセントを支払うと言っても、その10パーセントのお金が有りません。そのお金が有るくらいなら、民事再生の申請など、しないわけです。

 

では、どうするかと言えば、スポンサーを募るわけです。平たく言えば、会社を買ってもらって、そのお金で10パーセントを支払うというものです。そして、買ってもらった会社の傘下で、新しくやり直すということになります。

スポンサーになってくれた会社の資金と信用力で再生しようという形です。

 

もちろん、スポンサーは付けなくて、自社独自で民事再生を行うというパターンも有りますが、現在はその方法は少なく、ほとんどがスポンサーを付けて再生するという形だと思います。

 

この民事再生という方法は、会社の従業員のとって、なかなか過酷な状況を迫ることになるんです。そのあたりを、次回のブログでお話ししたいと思います。

 

次回またよろしくお願いします。