民事再生は大きく分けて二つ。自力再生とスポンサーを付けての再生です。
民事再生は、充分に計画を立て、必要な資金の準備をして、そして申請をする訳ですが、基本的な方向性は、二つに分かれます。
それは、自力でやるのか、それとも、スポンサーを付けてやるのか、ということです。
民事再生を申請して、最終的に認めるかどうかの判断は、裁判所がするのですが、その際、裁判所はスポンサーが付いた方が認められやすいのは間違いないところです。
なぜなら、スポンサーが付けば、資金的な問題は発生しないと判断できるからです。民事再生の途中で資金不足になり、破綻してしまったら大変です。
そういった意味で、自力での再生計画は、裁判所からは、厳しい目で見られると思います。ただ、自力でやることのメリットもいくつか有ります。
ここでは、スポンサーを付けた場合と、自力でやる場合の、それぞれのメリット、デメリットを簡単にお話ししたいと思います。
自力でやる場合のメリット
・会社の方針を変えずに仕事ができる。
・顧客、仕入れ先との取引を、従来通り継続できる。
自力でやる場合のデメリット
・充分な資金の準備が難しく、途中で破綻するリスクが有る。
・会社の将来性が不安視され、従来の顧客が離れる可能性が有る(仕入先も同様)。
スポンサーを付ける場合のメリット
・充分な資金を用意できるため、破綻するリスクが小さくなる。
・裁判所や金融機関の理解を得られやすい。
スポンサーを付ける場合のデメリット
・会社の運営には、スポンサーの意向が強く反映されるため、会社の方針が変わる可能性が有る。
・スポンサーの方針により、顧客や仕入先との取引きが出来なくなる可能性が有る。
メリット、デメリットは、もっといろいろとあると思いますが、大きな違いは上記の点だと思います。
最近の民事再生は、スポンサーを付けるケースが多いと思いますが、従来の顧客を守れば会社を再生できる状況であれば、むしろ自力再生を選んだ方が良いというケースもあると思います。